![]() 設計事務所では、建築主に完成した姿をイメージできやすいように、図面だけではなく、パース(完成予想図)、模型などを駆使してプレゼンテーションをおこないます。 新築だけではなく、改修(リフォーム)の場合でも、空間が把握しにくい時は、模型を作ります。 この写真は、子供部屋だけの改修なのですが、部屋の中に中3階を作ったり、吹抜や階段との間に窓のある壁を作ったりしたので、模型を作って検証しました。 勿論、建築主との打合せでも模型は活躍します。 出来上がりは、こちらのTN邸をご覧下さい。 この例は白い模型ですが、着色模型にする場合も多々あります。 KS |
今回からガイア・アソシエイツで設計したTN邸という住宅の改修を紹介します。
といっても以前に一度、模型だけをちょこっと紹介しているので、1.5回目ということで。 (過去のTN邸の記事はココをクリック) 改修内容は、ほぼ一室だけです。 ただし、その一室が普通ではありません。 ご期待ください。 まずは改修前の家について説明することにします。 TN邸は傾斜地に建つ鉄筋コンクリート造の大きな住宅です。 建築主は、そのロケーション・空間性・デザインにひかれて購入されたのではないでしょうか。 この住宅の大きな特徴に、カマボコのような形の大きな空間(部屋)があります。 私たちも初めてお邪魔したとき、なかなか良い空間だと感じました。 お子さん達が多目的に使っているとのことでした。 ただし、寝る場所は別の部屋だ、ということで、アレっと思いました。 ![]() 20畳弱の広さに、天井高は3.6mあり、西側は全面窓で緑溢れる景色が広がっています。 申し分ない借景です。 柵のところは玄関ホール上の吹抜です。 このように魅力的な空間ですが、西日が大変そうだな、とも思いました。 また、窓の開く部分が少なく、それも生活していく上でどうだろうか、と感じました。 ![]() 下階には玄関ホール・LDKがあり、下の写真の階段でつながっています。 コンクリート打放しと金属を主体としたシャープなデザインの家ですが、お子さん達がまだ小さいのであちこちに木製の柵がしてありました。 ![]() さて、改修を希望されたのはこの大空間です。 広く、高く、明るくとても気分の良い空間なのですが、その3つの特徴によってかえって使いにくいそうなのです。 夏は西日で暑く、冬は高い天井と吹抜と全面ガラス窓によって寒いとのことでした。 窓も半円形で大きく、カーテンでうまく全面を覆うことが難しいようでした。 この家の大きな魅力である大空間のスペースを活かして生活したい、というのがご希望でした。 何に使うかも一緒に考えていきました。 続く。 KS |
ガイア・アソシエイツで設計したTN邸の続きです。
(過去のTN邸の記事はココをクリック) 今回は、課題の空間の模型です。 図面ではよく分からない場合、模型にすると一目瞭然ということが多いです。 2案提案し、これは採用されなかった方の模型です。 ![]() 次回(もうひとつの案)と見比べてもらえると分かると思いますが、吹抜と部屋とを分離しているのは共通です。 そして天井がとても高いので、部屋にロフトを作りました。 そのロフトの位置が違います。 この案ではロフトが部屋を横断しています。 もう一つの案ではロフトは奥に構えています。 ロフトは子供たちの就寝スペースになる予定です。 この案では、空間のダイナミックな重層感を味わえますが、天井高の高い部分に全てロフトがかかってしまうので、今までのような部屋の高さは感じられなくなります。 ロフトを奥に構えさせると天井の高い部分は確保されますが、空間的な面白みや驚きは減少し、おとなしめの空間構成になります。 一長一短ですね。 KS |
ガイア・アソシエイツで設計したTN邸の続きです。
(過去のTN邸の記事はココをクリック) 今回も模型です。 こちらが実際にできた方です。 ![]() 部屋に入ったすぐのところは、天井が高く広々した感じです。 のびやかで丸い天井の、部屋の形の面白さを満喫できる空間です。 もともと西側の窓は、格子状にデザインされた大きなガラス面なので、景色もよく、良い眺めです。 ですが、壁がまったくないと、あまりに部屋としての容積が大きく、暖房してもなかなか効かず、光熱費もかかって大変です。 吹抜けとの間に壁を設け、そこに窓を付けることで、明るさはそのままに、空調効率は上げて使いやすい部屋になることを目指しました。 また、部屋の奥の部分はロフトスペースになっていて、梯子で上がるようになっています。 ここも面白い空間です。 結局「奥にロフト」のこの案が気に入られ、これでいくことになりました。 SS |
ガイア・アソシエイツで設計したTN邸の続きです。
(過去のTN邸の記事はココをクリック) ![]() 今までの既存写真、模型写真などで計画の概要はご理解いただけたでしょうか。 図面や模型で空間のイメージも固まったところで、パース(完成予想図)です。 敢えて模型では分かりにくい(見づらい)アングルで説明的に描いています。 空間に色彩が加わると楽しげな雰囲気が出てきますね。 子供部屋と家族が集えるファミリールームを兼ねています。 左手前のグリーンのカウンターで、本を読んだりパソコンをしたりして、眠くなった子から梯子を登って就寝コーナーへ行きます。 高い天井高を活かし、部屋の中にさらに部屋があるような構成になっています。 この就寝スペースも意外と落ち着けるスペースです。 とにかく楽しく、ということで、グリーン、イエロー、ピンク、それに天井は雲が浮かんだブルースカイです。 居心地よくて、会話もはずむ、そんな部屋をめざしてデザインしています。 次回から完成した部屋をご覧にいれます。 SS |