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SI邸 1
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早春の湖畔
ガイア・アソシエイツで設計したSI邸のデザイナーズ・リフォームです。

「早春の湖畔」といっても、これが湖畔に建っているわけではありません。
湖の早春の雰囲気をインテリアのテーマにしたものです。
3月ごろ、雪の残る白い山を蒼い湖の岸辺から眺めているような感じです。

実は、最初は建築主が時々行かれるスイスの湖のつもりで設計していました。が、リフォーム工事中、家にいてもホコリっぽいだけだから、とカナダへ旅行した建築主が、竣工時に帰って来られて言われるには、なんと、カナダでこのインテリアと全く同じイメージの風景を見たそうなのです。
湖の色も、このインテリアで使われているうすいグリーンがかった色で、その光景を見たとたん、夫婦で「おおっ!」と叫んでしまったそうです。
写真を撮ってきてくださって、それを見たわたしも、思わず「おおっ!」と言ってしましました。不思議なことがあるものです。
設計段階の初期に、「こんなイメージです」とお見せしたスイスの景色よりも、もっともっと近い風景がたまたま行ったカナダにあった、なんて!

SS

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[2009/09/09 16:26] | SI邸(集合住宅) | page top
SI邸 2
ガバッと開けるドア
ガバッと開けるドア
前回と同じくガイア・アソシエイツで設計したSI邸です。

ここはマンションなので、改修前はごく普通の玄関でした。
建築主は、「マンションだから仕方ない」と思っておられたようですが、家に帰ってくると、昼間でも真っ暗な玄関の照明を付けるという毎日、これってなんとかならないかしら・・・というご要望にお応えしました。
LDK側の壁を取り払って半透明の引戸にしたのです。

これによって、LDKの窓からの光が玄関にも届くようになり、格段に明るくなりました。
下駄箱の下には間接照明も入れ、タタキに貼った自然石のタイルを暖かな光で照らすようにしました。
この写真ではわかりにくいですが、左の壁の奥はキッチンになっており、そこにも小窓をつけたので、キッチンからも「お帰りなさい」が言えるようになりました。

リフォーム後、扉を開けた宅配便の人が、あまりの変わりように腰を抜かして驚いていたそうです。

SS

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[2009/09/12 15:44] | SI邸(集合住宅) | page top
SI邸 3
_MG_7702-.jpg
かなり前に紹介した事のある、ガイア・アソシエイツで設計したSI邸です。
12年前にブログで記事を書き始めたけれど、2回で中途半端に終わっていたのを発見。
折角なんで、改めて続きを書く事にしました。
(過去のSI邸の記事はココをクリック)

SI邸は、千葉県の町全体が団地と言えるアパートだらけのベッドタウン(奇妙な言葉!)にある大きなマンションの4LDKの住戸です。
新築当時はそれ程珍しくなかった間取りかもしれないですが、4室を寝室にできるので子沢山な家族に丁度よかったのでしょう。
今ではシーラカンス的間取りと言えるかもしれませんが。

マンションは一般的に(角部屋以外は)2方向にしか窓がありません。
その上、このマンションは個室が多いのです。
その結果、この住戸も御多分に洩れず・・・
①暗い玄関と廊下
②窓がなく空気の淀んだ洗面脱衣室
③窓がなく暗くて使い勝手の悪い和室
④使い勝手が悪くて楽しくないキッチン
⑤狭々した各個室と少ない収納
・・・などとなっておりました。
100_1638.jpg
さて、若い夫婦が頑張って部屋数の多いマンションを買っても、子供が成長して独立すると夫婦二人の生活に戻る事が多いです。
そして、部屋数はあるけれど、どこにいても手狭な住戸が残されます。
この計画はそんな夫婦の為の全面改修でした。

元来、アパート・マンション・建売住宅って売る側の理論で効率優先、住む人のことはあまり考えられていません。
その上、家族の人数やライフ・スタイルは千差万別ですし、それ自体年と共に変化していきます。
その変化に合致させながら、集合住宅の持つ恒常的な欠点を何とか緩和しよう、というのがこの計画です。
そんな事、うまくいくのかな?

続く。

KS

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[2021/08/09 16:24] | SI邸(集合住宅) | page top
SI邸 4
ガイア・アソシエイツで設計したSI邸の続きです。
(過去のSI邸の記事はココをクリック)

今回のマンションの問題点とその解決を順番に見ていきましょう。
まずは
①暗い玄関と廊下

次の写真は既存の玄関三和土廻りです。
程々の広さがあるにもかかわらず、なぜか狭く見えてしまう玄関です。
仕上材の色彩が濃いめなのと、三和土のすぐ横にそびえ立つ下駄箱(写真左)が圧迫感を感じさせます。
100_1634.jpg
玄関を入ると窓のない暗い廊下。
この廊下はLDKから奥の寝室まで続いているので、長ーい長ーい薄暗い通路になっています。
100_1626.jpg
それを一気に解決したのが、この半透明の3枚引き戸です。
半透明なので、LDKの窓からの光が玄関にまで回ってきます。
今回、インテリアを白系統で統一したので、同じ開口部でも部屋の奥まで明るくなったのです。
_MG_7744.jpg
そしてこれを開けるとLDが一望できます。
風通しもよくなりましたし、開閉でプライバシーの調整もできます。
_MG_7743.jpg
LDK側から玄関を見てみましょう。
次のようになっております。
既存のタイルを撤去して石風タイルを貼りましたが、その範囲をちょっと広げただけで、ぐんと効果が上がりました。
玄関とキッチンの境の壁を位置変更して下駄箱の位置も変え、その下に間接照明も入れてみました。
玄関ドアも内側だけ白くすることで印象が大きく変わりました。
_MG_7750.jpg
続く。

SS

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[2021/08/15 08:12] | SI邸(集合住宅) | page top
SI邸 5
ガイア・アソシエイツで設計したSI邸の続きです。
(過去のSI邸の記事はココをクリック)

このマンションの問題点とその解決を見ていきましょう。
今回は
②窓がなく空気の淀んだ洗面脱衣室

まず既存写真から。
マンションだから仕方がないとあきらめる人も多いかと思いますが、やりようで解決できるのです。
とかく洗面化粧台廻りは、化粧品や日用品であふれてしまいがちです。
だけど洗面カウンターの上にいっぱいそれらが出ていると、せっかくの広いカウンターが活用できません。
100_1613.jpg
洗面カウンターはスッキリさせたい!
それに長い廊下の途中にある風通しの悪い部屋、というポジションもどうにかしたい!
というわけで、今回は洗面脱衣室について考えてみました。

まず、プラン的に既存の廊下はほとんど無くして、寝室へ行く動線は洗面脱衣室の中に取り込んでしまいました。
つまり、洗面脱衣室の中を通って寝室へ行きます。
でも夫婦二人だけであればこれって特に問題なし。
たまに洗面台を使うお客さんがいても、そこから先へは行かないのでそれも別に問題なし。

とは言え、このように説明した「洗面脱衣室を通って個室に入る。」というプランニングは一般的ではありません。
居住する人や人数、ライフスタイルにもよるので、(教科書的手法ではないという意味で)万能ではありません。
「コロンブスの卵」ですが「子供は真似しないように」と言えるでしょう。
なんて書くと大袈裟ですが、案外簡単にできる事なので、条件さえ合えば効果のある使える手法だと思いました。

さて、取り込んだ元廊下の分部屋が広くなるので、壁面収納を新設して(見にくいけれど次の写真右端)物が散らからないようにしました。
つまり、(洗面脱衣室と廊下との間の)壁がなくなる分、壁厚分広さに余裕ができるというわけです。
その余裕分を奥行は浅いけれども壁全面の収納にしたのです。
「たかだか13センチぐらいの余裕でしょう?」と思いますか?
これがバカにできないんです。この13センチにもうあと数センチ足してやれば、トイレットペパーでもティッシュペーパーでもたたんだタオルでも細々収納できるお役立ちストックができるのです。
もちろん、下着も上手にたためばストックできるので、お風呂上りにすぐ新しい下着に手を取り出すことができます。
(図面で説明しないと分かりにくいですね。)

次の写真の洗面台の左端は洗濯機置場です。
こうやってロールスクリーンで隠しておけば、見苦しくありません。
洗濯機置場に収納扉を付ける人がいますが、そうすると洗濯槽の中がカビるので、扉を開けっぱなしにする人が多く、それでは結局洗濯機が見えてしまいます。
その点、ロールスクリーンは扉ほどの密閉性がないので、下ろしていても洗濯槽が乾いていきます。
LDKへの扉を開け、寝室の扉を開けると、なんとこの風通しの悪かった洗面脱衣室に涼風通るようになりました。
_MG_7882.jpg
そもそも、洗面と脱衣は別々の行為で、かならずしも同時にするわけではありません。
洗面は朝晩(朝昼晩?)、脱衣は晩1回。
それなら普段は脱衣室じゃなくても、必要時に脱衣室になればそれでいいんじゃない?
という訳で、天井にロールスクリーンを2方向に付け、必要な時だけ下すようにしました。
服を脱ぐとき、やっぱり見られない方が落ち着きますよね。
でもふだんは風通し良い広々した洗面脱衣室、いや洗面室の方がいいですよね?!
_MG_7886.jpg
続く。

SS

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[2021/08/25 07:52] | SI邸(集合住宅) | page top
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