ガイア・アソシエイツで設計したSI邸の続きです。
(過去のSI邸の記事はココをクリック) このマンションの問題点とその解決を見ていきましょう。 今回は ③窓がなく使えない和室 まず既存の写真から。 せっかくLDの奥に和室があるのですが、どよよん・・・と暗く、思った通りあまり活用されていません。 手前の洋間ともデザイン的に全く合っていませんしね。 マンションによくある「お客さんが泊まりに来たときにだけ使われる」このような中和室というのは、普段は「死に部屋」でもったいないです。 ![]() 物置になったりしている場合も多いですね。 6畳もあるんですよ。約10㎡ですね。 LDKに取り込んだら、さぞや広々した部屋になることでしょう。 ![]() というわけで、それを実行したのが次の写真です。 ついでに和室の横にあった廊下(最初の写真左奥)もLDKに取り込みました。 次の写真は一番上の写真とほぼ同じアングルです。(梁の位置で違いをご確認ください。) どうです? 劇的ビフォア・アフターでしょう? キッチンとLDを区切っていた壁を撤去して、キッチン・カウンターも対面式にしました。 家族や来客とおしゃべりしながら、テレビを見ながら料理ができます。 明るいし、空調も行き届きます。 ![]() そして元和室がこちらのダイニング・エリアになりました。(次の写真・上の写真では中央奥) 十分な広さと十分な収納。 収納の上部に間接照明を組み込んだので、白いインテリアに光が乱反射して、明るく爽やかなダイニングとなりました。 ![]() 続く。 SS |
ガイア・アソシエイツで設計したSI邸の続きです。
(過去のSI邸の記事はココをクリック) このマンションの問題点とその解決を見ていきましょう。 今回は ④使い勝手が悪くて楽しくないキッチン また、既存から見ていきます。 LDの奥にキッチンがありますが、窓はなく、薄暗く、ポジションがよくありません。 完璧に独立しているわけではないけれどLDには背を向けていて、なんとなく中途半端な立ち位置です。 ![]() 結構シンクも広く、ガスコンロも4口あって、収納も多い方だと思います。 ![]() だけどキッチンとは別に買い足していった収納のデザインがバラバラなので、散漫な印象です。 白い家具、茶色の家具、白い冷蔵庫と並んでいるため、よけいに前に飛び出た冷蔵庫が目立ちます。 日本の場合、家具に流行があってしょっちゅうラインナップが変わるため、あとから買い足そうとするともうそのデザインや色は同じものがなく、結果としてバラバラなデザインのものを並べるハメになりがちです。 ![]() 今回は白と水の色をテーマにしているので、キッチンももちろんこの2色に絞ってコーディネートしました。 プランから解説しますと、まずLDとの境の壁を撤去して、キッチンカウンターは対面式、いわゆるペニンシュラ型にしました。 ペニンシュラというのは「半島」のことで、キッチンカウンターの片側が壁にくっついていて、半島のように見えることからこの名前がつきました。 ともあれ、LDKが一体となり、キッチンからはLDが見渡せます。 キッチンだけが暑かったり寒かったりすることもありません。 ![]() キッチンカウンターはまさしく半島のようにLDKに存在していますが、片側は広く空いているため、LDとの行き来が自由で通りやすいです。 このタイプのキッチンにした場合、カウンターの上はいつもすっきりと片付けていないとサマになりません。 汚れた食器がシンクに山積みだったり、カウンターの上に調味料や食材が散乱していると目も当てられません。 ![]() でも、こちらのお宅は大丈夫。 奥様だけではなく、ご主人もきれい好きで、片付ける人だからです。 コンロの奥の壁に窓があるのをご存じですか? この窓の向こう側は玄関です。 帰ってきた人に、キッチンから「お帰りなさい!」と言えるし、チャイムが鳴ったとき、「ハーイ」と取りあえず返事することもできます。 もちろん風通しもよくなりました。 ![]() キッチンからの眺めも良いでしょう?! 窓の外も見えます。テレビも見れます。もちろんLDも広~く見渡せます。 まさにこの家の特等席と言えます。 気持ちよく料理し、気持ちよく片付け、気持ちよくくつろぐ! 毎日に張りが出ますね。 ![]() 続く。 SS |
ガイア・アソシエイツで設計したSI邸の最終回です。
(過去のSI邸の記事はココをクリック) このマンションの問題点とその解決を見ていきましょう。 最後は ⑤狭々した各個室と少ない収納 と言っても一般的なマンションよりはスペースに余裕のある間取りなんですけどね。 こちらは奥様の既存の寝室。 壁面一面に収納を後から設置したようですが、使いやすそうではありませんでした。 ![]() こちらはご主人の既存の寝室。 見るからに収納が足りていません。 ![]() 元子供部屋はご多分にもれず物置になっています。 ![]() スーツケースはともかくとして、自転車などの愛好品は自分の部屋に置きたいですよね。 ![]() このままでは部屋数だけ多くて各々は狭くて使い勝手が悪いのです。 そこで3つあった寝室を2つに作り直しました。 間取りの変更です。 一部屋が大きくなり(今までの3/2の広さ)、余裕が生まれました。 という訳で、こちらが新しい奥様の寝室。 写真には残念ながら写っていませんが、収納も適材適所に充実させました。 ![]() こちらが新しいご主人の寝室。 部屋が広がった分収納を増やして、自転車もこの部屋に引っ越しです。 どちらの寝室もタンスや置家具収納をやめて、造り付けの壁面収納で収容力と使い勝手を充実させています。 ![]() いかがでしたでしょうか? このように部屋の構成を一から変えてプランニングし直すと、思いがけない空間が生まれます。 マンションの場合、同じ間取りの部屋が並んでいる場合が多いので、これだけ変わると他の住民にめちゃくちゃ驚かれます。 宅配便屋も、たまの来客ものけぞって驚くそうです。 それを見るのも建築主のひそかな楽しみだそうです。 終わり。 SS |