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心ときめく花と暮らし
東大の裏にある弥生美術館・竹久夢二美術館で「田村セツコ展」と「夢二が描いた心ときめく花と暮らし」を見ました。
この二つの美術館は館内で繋がっているので、実質ひとつの美術館と言えるでしょう。

まずは弥生美術館から。
残念ながら、何といってもまずこのアプローチが悪い。
写真は門をくぐり抜けたところなのですが、なんだか安物の集合住宅のよう。
門の外から見た眺めも、正直「えっ、ここ?」という感じ。
竹久夢二の美術館なら、せめて大正浪漫の雰囲気だけでも漂わせてほしかった・・・・。
特に特に左側にあるカフェが良くない。
外にごたごた貼りだしたメニューやら看板やらが、とてつもなく貧乏くさい。
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そこでやっていた「田村セツコ展」、これはまあまあでした。
というのも田村セツコさんは私が小さいころに、少女雑誌でよく見かけた懐かしいイラストレーター(当時は挿絵画家?!)だったからです。
かわいくてちょっとおしゃれで生き生きした女の子、見覚えがあります、この顔に。
御年85歳、変わらず少女を描き続ける永遠の少女田村セツコさん、どうぞご活躍を!
田村セツコ展
次に竹久夢二美術館。
外側からしてなんか新建材くさいのです。
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この外観、左側の茶色のレンガ風タイルの建物が弥生美術館、その隣にくっついているピンクと白の建物が竹久夢二美術館。
つぎはぎですが、そのつぎはぎの面白さを狙ったというのではなく、とりあえずこうなってます的な感じ。
自分ちで無理して美術館やってますーという雰囲気であります。
もうちょっとなんとかしようよー!!
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そこでやっていた「夢二が描いた心ときめく花と暮らし」は、これもまたしょぼかったです。
夢二は桜が好きで、桜の花を散らした着物姿の女性を多く描いているそうです。
植物のスケッチもいくつか残されているそうですが、コレクション全体として見るべきものはありませんでした。
心ときめく花と暮らし
夢二の美人画を期待して、地方から見に来た人にはさぞがっかりでしょう。
表で外国人観光客らしき人が写真を撮っていましたが、感想はいかに?

SS

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[2023/03/25 16:27] | アート 3 | page top
H717 12
ガイア・アソシエイツで設計したH717の紹介の続きです。

今回は2階エステルームです。
特に設備的に変わっったことは必要ありませんが、シャワールーム・脱衣室・トイレがあり、お茶も出せるようミニキッチンもあります。
それにしても、どうです、この開放感!
吹抜を通して向こう側の窓まで視線が通り、陽光がまぶしく見えます。
もちろん、ここも気分はジャングルです。
高天井なので、室内温度の熱効率をよくするため、天井扇は付けていますが。
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下を見下ろすと1階のパーティールームが見えます。
中庭の床も見えますね。
特等席でのエステ、私も受けてみたい!
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そしてこの部屋にはまだ秘密があります。
このハシゴ、どこに続くのでしょう?
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ハシゴを登りきって見下ろしたところが、この写真です。
ジャングル模様の天井が迫ってくる!
なんという迫力でしょう!!
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そしてこのロフトの空間がこちらです。
こじんまりながらも、非日常を味わえるとんでもない空間です。
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SS

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[2023/03/23 08:40] | H717(木造多目的建築) | page top
蟲愛ずる女
マリア・ジビーラ・メーリアン蟲愛ずる女-
サラ・B・ポメロイとジェヤラニー・カチリザンビーの共著「マリア・ジビーラ・メーリアン 蟲愛ずる女 」を読んでみました。

マリア・ジビーラ・メーリアンというお方の人生を彼女の描いた絵と共に辿る、といった趣向の綺麗な本です。
そんな説明だと「甘っちょろい内容か」と思われがちですが、そのような事はありません。
また、タイトルからは「不気味な内容か」と思われがちですが、そのような事もありません。
(なんでこんなタイトルにするかね?)
マリア・ジビーラ・メーリアン-
マリア・ジビーラ君について僕は予備知識ゼロでしたが、その筋では知られたお方のようです。
彼女は1647年生まれなのですが、2013年の生誕366年の祝賀に、彼女の描いた「グリーンイグアナ」がGoogleの検索エンジンのトップ画像(Doodle)に採用されたそうです。
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さて、この本を読んでみて・・・全く尊敬に値する人だという事が分かりました。
マリア・ジビーラ君、はフランクフルトの絵の工房で生まれ育ち、女性の絵描きなどほとんどいない時代に芸術家になりました。
マリア・ジビーラ君は、絵を描きながら昆虫や植物を観察、飼育し、そんなものを研究する人などほとんどいない時代に科学者になりました。
マリア・ジビーラ君は、50歳を過ぎてから娘を連れて動植物の研究の為に南米スリナムに旅立ち、女だけで危険を冒してそんな所に行く人などいない時代に冒険家になりました。
そして・・・
マリア・ジビーラ君は、ヨーロッパ人がアメリカ先住民に残酷な扱いをしたりアフリカ人奴隷を酷使していた状況に対して、異議を唱えるような良識を持っていました。

貴族の家に生まれたのであれば、地位やお金に飽かしてそのような事もできたかもしれません。
しかし彼女は単に絵描き(職人)の娘だったので、女性という低い地位も合わせて大変な努力と実行力、そして先見の明があったのだと思います。
スワンプリリー-
その上、彼女のしっかりしていた所は、自分の作品や研究をちゃんと本や記録や標本にしていた事です。
だからこそ、今でも足跡を追う事ができるのですね。
その時代、本を作るのも他の事同様、かなり手間がかかって大変な事だったようですが。
彩色は一冊一冊手描きとか。

1717年マリア・ジビーラ君がなくなったその日、ロシアのピョートル大帝が彼女の水彩画300点と研究帳を購入したそうです。
1991年ドイツでは彼女の名誉を称えて500マルク紙幣を発行したそうです。
(なんか顔が歪んでないか?)
500マルク-
以前、イギリスの早すぎた女性化石ハンター兼古生物研究者メアリー・アニングの話を読んだ事がありましたが、今よりも女性蔑視の時代にあって、日の目を見ずに一生を終えていました。
それよりずっとずっと昔のマリア・ジビーラ君の方が、奇跡的なめぐりあわせなのか自助努力の賜物なのか、遥かに報われた人生だったように思いました。

KS

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[2023/03/21 15:29] | | page top
THE VISION OF CONTEMPORARY ART 2023
VOCA展2023-
招待券があったので、上野の森美術館で「VOCA展2023」を見てきました。
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「平面の領域で国際的な活躍が期待される、高い将来性のある若手作家の支援を目的に、VOCA展実行委員会と上野の森美術館が主催し、毎年開催している美術展」で、「今回の展示に出品したのは、コレカラを期待される新進気鋭の作家29名」との事です。

会場写真の左端がVOCA賞だそうです。
ふーん、これがグランプリってことですか。
私には具象的過ぎて、あんまりいいとも面白いとも思えませんが・・・!
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次の方には興味を持ちました。
午前1時の3人の人物を描いてます。
犬を散歩させているおじさん、森の中にたたずむ作者、お仕事帰りの芸者さん、それぞれの人生があります。
色彩がきれいで、人の眼を引きます。
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次は、コロナが始まってからの作者の1ヶ月を描いたものだそうです。
なんだ、毎日ゴロゴロしてただけか?!
外出もできず、やることもなくて、手持ちぶさただった日々を表しているのでしょうか。
よく見ると30日分あって、カレンダーのように1枚1枚が週ごとにレイアウトされています。
一見全部同じように見えますが、印刷ではなく手描きなのでしょう、Tシャツのロゴの書体が毎日異なります。
ちなみに30日分を綴じた画集も販売されていましたが、どうでしょうねー、どれも同じようなのにとても高価!
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次は、顔、顔、顔のコラージュです。
面白い?!それとも不気味?!
それは見る人の心理状態に左右されるでしょう。
やはり人の顔というのは、注視する対象となるのでしょう。
画面の人物から放たれる視線が妙に気になります。
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これもまたヘンテコな絵です。
何がヘンテコなのかというと、人物の顔や手の大きさがバラバラで、よく見ると遠近感や視線の高さもめちゃくちゃです。
構図は右側が重くて偏っているため、それもこの絵に強い不安定感を与えています。
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最後です。
これって初めて見ましたが、ガラス窓の向こうに写真(?)絵(?)が貼り付けてあります。
窓のガラスが型板ガラスなので、絵がはっきりと見えず、それが割といい感じを出しています。
昔風の木の窓から見えるなんとなくノスタルジーを感じさせるひなびた風景。
昔見た景色を見ているような、そんな気分になります。
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みなさん個性的で、わりと面白かったです。
いろいろな事を日々感じて、考えて、創作活動しておられるのですね???

SS

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[2023/03/19 08:05] | アート 3 | page top
天使の分け前
天使の分け前-
ウィスキーは製造工程の最後に樽に入れて熟成します。
その時、水分やアルコール分が蒸発して目減りしますが、それを「天使の分け前」と言うのだそうです。

この映画は、それがタイトル(原題もTHE ANGELS' SHARE)になっているウィスキーにまつわるお話です。
といっても、監督がイギリス人のケン・ローチ君なので、真面目だけど一筋縄ではいかない何とも可笑しいお話になっています。
一言で言えば、グラスゴーでトラブルを繰り返す粗暴な若者がウイスキーを知る事で成長していく(?)といった感じ。

グラスゴーといえばスコットランド最大の都市で、スコットランドといえばスコッチ、つまりウィスキーです。
だからといって「そんな映画・・・面白いのかな?」と思うかもしれませんね。
天使の分け前1
この際、騙されたと思って見てみるべきでしょう。
カンヌ国際映画祭でも審査員賞を取っています。
(賞と映画の面白さとは合致しない場合も多いですが・・・。)

前半は社会の底辺で生きている面々のダメな生活が暗く描かれていますが、後半になると「あれれ」という展開になります。
話の構成から、同じくケン・ローチ君が監督した「エリックを探して」を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、正解です。
二つの映画、どちらも見て損はないでしょう。
彼は社会派の監督なので厳しい現実を描き切ったシビアな作品も多々ありますが、途中からユーモラスなタッチで展開するものもあり、そちらが僕の好みなのであります。

ところで主役のポール・ブラニンガン君、前から誰かに似てると思っていましたが、ナインティナイン(お笑いコンビ)の若い頃の岡村隆史君じゃないですか。(写真だとちょっと違う感じだけど)
天使の分け前2
ブラニンガン君は、失業者だったところを地元グラスゴーでスカウトされたようです。
役者の経験は全く無かったそうです。
この映画への出演は、彼にとっても映画の筋をなぞるような人生の大きな転機だったのですね。

ともあれ、久しぶりに見て楽しくなりました。

KS

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[2023/03/17 11:03] | 映画 | page top
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