![]() 今回はクリスティン・ジェフズ監督の2009年のアメリカ映画「サンシャイン・クリーニング」。 公開時は、以前書きました「リトル・ミス・サンシャイン」のスタッフが集まって作ったという振れ込みだったようです。 でも、監督は違うし、配役もアホなじいさんだけ同じ。 この映画も色々な問題を抱えた家族のヒューマン・ドラマ(?)です。 シングル・マザーの主人公が、妹と事件現場清掃会社を立ち上げて・・・てんやわんや。 子供の学費が必要になり、「事件現場清掃が儲かる」と聞いて安直に始めたのですが、血や指が飛び散っている現場をきれいに掃除する仕事です。 ↓写真や映画じゃ臭いが伝わらないのが残念。 ![]() 主人公は田舎の高校では(そんなものが本当にあるか知らないけれど)スクール・カースト最上位のクイーン・ビーだったけれど、今は母子家庭の母親で、高校時代を引きずって元ジョックの男(その奥さんも高校の友人)と先のない不倫をしています。 ゴスっぽい妹はダメ女で、独立できずに父親とその日暮らし、ウエイトレスの仕事も首になります。 息子はそういった家庭環境を反映してか、学校で奇妙な事をするので変態問題児です。 主人公の父親は頭が柔らかく理解がありそうですが、自分のアイデアをビジネスで実践するとうまくいかず、孫以外の家族からは信用されていません。 ![]() このように並べると暗い社会派のシリアスな映画のようですが、そのような事はなく結構楽しく見る事ができます。 学生の頃からのチョコいプライドや見栄を(自然に)捨て、今の自分の仕事や状況に(自然な)自信を持てるようになる過程を丁寧に綴った映画、といえるでしょうか??? エイミー・アダムスとエミリー・ブラントが姉妹役で、自分なりに頑張っているけれどマヌケで笑える演技を披露しています。 実は後ろで鳴っている音楽もセンスが良くて、自然で力が抜けて良い感じ。 サントラだけ聴くのも十分OK。 これをかけていると「この音楽なに?」って聞かれます。 ![]() KS |
![]() BS11のドラマ「アガサ・クリスティーの謎解きゲーム」です。 アガサ・クリスティーの原作を、フランスに舞台を置き換えたフランス製TVドラマです。 好奇心旺盛な新聞記者のアリスと伊達男ロランス警視のコンビが、もめながらも事件を解決していきます。 でもねぇ、なんか変なんですよね。 フランス語のアガサ・クリスティーというのもどんなもんでしょう・・・? 主人公は警視と新聞記者ですが、もう一人毎回出てくる登場人物として、警視の秘書がいます。 彼女は新聞記者アリスと違って、何もかも見た目重視で、化粧と衣装に力点を置いていますが、頭は少々軽く、ちょっと抜けたところがあります。 でも美しいので、警視は気に入っていて、彼女にぞっこん(?)です。 逆かな。(フランス人は難しい。) ![]() アリスは特ダネ欲しさに警視に近づき、スクープをもらおうと必死です。 毎回変装したり忍び込んだり積極的に事件にかかわりますが、当然とんでもない目に会って死にそうになります。 それでも果敢に頑張り続けますが、そんな彼女を警視は疎ましく思い、なんとか事件から遠ざけようとあれやこれや手を打ちますが、結局彼女を救出するはめになり、舌打ちしながら捜査を続けます。 ![]() クリスティーの謎解きは随所に当てはめらていますが、ドラマ自体はコメディータッチで、笑える場面が満載です。 陰湿だったり凄惨だったりな殺人事件ではないところが売りでしょうか? ![]() SS |
![]() ガイア・アソシエイツで設計したRM邸の続きです。 最初は3階建てを考えました。 床面積をできるだけ取り、余裕部分を賃貸面積に充てる為です。 北側斜線に加え日影規制がかかるので、模型写真のようなボリュームになります。 全体に流れるような曲面の大屋根をかけようと思いました。 勾配屋根のかかっていない部分は広~いバルコニー的に使用できる陸屋根です。 外観は纏まっていますし、面白そうな内部空間や半外部空間が作れそうでした。 ![]() 気に入った案でしたが、高さ方向を精密に検討してみると、階高(床から上階の床までの高さ)が思ったより取れず、床から梁下まで1.9mしかない事が分かりました。 建築主は許容内の高さだという考えでしたが、設計としてはもう一度ゼロから別案を考え直す事にしました。 階高の設定は、これによって天井高が規定されてしまうのでとても重要です。 後から変更することはできないので、慎重に決めなければなりません。 続く。 KS |
![]() アメリカのシンガー・ソングライターANGEL OLSENの2019年のアルバム「ALL MIRRORS」を紹介します。 エンジェル・オルセン君は出身地のシカゴで活動しているようです。 以前から知ってはいたのですが、特に惹かれるものが無かったので聴かずにいました。 ある時何となくこのアルバムを買ったら、その素晴らしい出来ばえに驚きました。 冴えない風貌に騙されていたんですかね。 このお方、デビュー当時はフォークやオルタナ・カントリーっぽい音楽をやっていたようですが、アルバムを出す毎に変容してきたようです。 今回のアルバムは、そのメロディーの良さ、オーケストレーションで包み込むようなアレンジ、アルバムとしての構成、全てが良くできています。 バックのオーケストラも一筋縄ではいかない雰囲気で、(的外れかもしれませんが)マーキュリー・レヴの全盛期やデイヴィッド・リンチ君の映画音楽を思い浮かべました。 いずれにせよ、いわゆるシンガー・ソングライターのアルバムとしては異質です。 興味が湧いたので、高評価だった前作2016年の「MY WOMAN」も早速聴いてみました。 なんですが・・・こちらはまだ過渡期の音楽性のように感じました。 それよりも・・・この奇妙な顔のジャケットも見覚えがあったんですが、同じ人だったとは・・・。 ![]() 今作品は前作からもステップ・アップしたのですね。 そうするとその後の作品にも期待されましたが・・・最新アルバム2022年の「BIG TIME」はオルタナ・カントリー風でした。 (歌詞の進化は分かりませんが)音楽的には逆戻りかもしれません。 ![]() 僕には、今回紹介したアルバムが奇跡的なピークに感じられました。 まだ分かりませんけどね。 KS |